2020年7月22日水曜日

20200722 放送朝礼『おじぞうさんのはなし』

今日の放送朝礼では、正門の前にあるお地蔵さんについてお話をしました。
使用したパワーポイントの画像とともに紹介します。
 
みなさんはこの写真の建物が何だか知っていますか。
そう、南池田小学校の正門にあるお地蔵さんですね。
今日はこのお地蔵さんについてお話をします。

このお地蔵さんは、君たち南池田小学校の子どもたちととても深い関係をもっているのです。

これは、今の正門前の信号のようすです。
この信号をわたって昔から南池田小学校の多くの子どもたちが登校してきました。
お地蔵さんの建物が赤い丸のついているところですね。

この信号の40年前50年前のようすがこの写真です。

同じ場所ですが、後ろに工場の煙突が見えたり、車や信号の形が今と違ったりしています。
一番違うのはお地蔵さんの場所に小さなおうちが建っていることです。

このおうちは、日原重雄さんという方のおうちです。

日原重雄さんは何十年もの長い長い間、雨の日も風の日も毎日毎日朝と夕方に、この信号に立って、南池田小学校の子どもたちの安全を見守ってくださっていたのだそうです。

この当時はまだ高速道路もありませんでしたし、はつが野もありません。
黒石大橋もないし、納花町のトンネルもありません。
だから、河内長野のほうに行きたい車はみんな南池田小学校の前を通るしかありませんでした。
とりわけ、工事がとても多い時代でしたので、大きなトラックがひっきりなしにここを通ります。
だからとても危なかったのだそうです。

何十年もこの場所で子どもの見守りをしてくださった日原さんは大阪府から感謝状をもらうほどでした。
おじいちゃんおばあちゃんがこの学校の卒業生だとしたら、この日原さんのことを憶えていらっしゃるかもしれませんね。おうちに帰ったら聞いてみてください。

その日原さんも、大阪府の感謝状を受けてまもなくお亡くなりになりました。
 
毎日毎日南池田小学校の子どもたちの安全を見守ってくださっていた日原さん。
そんな日原さんの思いをこれからもずっと引き継いでいきたいと、ご家族や地域の方々が力を合わせて、古くなったおうちのあとに、今のお地蔵さんを建てられたのだそうです。
およそ30年ほど前のお話です。
以来、日原さんはお地蔵さんに姿を変えて、南池田小学校の子どもたちの安全を見守り続けているのです。
 
先日特別にお地蔵さんの中を見せていただきました。
お地蔵さんの祠のなかにはこのように小さなお堂が入っていて、金色のお札が祀られています。
徳島県にある立江寺というお寺でいただいたもので、もともと神様をお祀りするお仕事をされていた重雄さんが大切に拝んでいたものです。

このお堂の横には木でできたお地蔵さんがあります。 
このお堂を建てたときに、高野山の宮大工さんが特別に彫ってくださったものだそうです。
毎年夏休みが終わるころに、このお地蔵さんに関わりのあった人たちが集まって、重雄さんを偲び、地蔵盆をしています。

学校の前のお地蔵さんは、南池田小学校のみなさんが安全に登下校できるように見守ってくれているお地蔵さんだったのですね。
交通安全だけではありません。お堂の横の石碑には「災いを除き幸せになりますように」という意味の言葉も見られます。
お地蔵さんは、南池田小学校のみなさんみんなの幸せを願って今日も見守ってくれているのです。
たまには前を通るときに心の中でありがとうございますと語りかけてみるのもいいかもしれませんね。



今も、この日原重雄さんのようにあなたたちの安全を願って、毎日毎日登下校を見守ってくださっている方がこの校区にはたくさんいらっしゃいます。昔から、地域のみなさんの温かい思いに支えられて、南池田の子どもたちは成長してきたのです。
たいへんありがたいことですね。
町の方々には心の中だけではなく感謝をこめて「おはようございます」「さようなら」と自分からあいさつをしましょう。

あいさつは、「聞こえる声で」「顔を見て」「自分から」するようにしましょう。
いいあいさつは「聞こえる声で」「顔を見て」「自分から」です。

明日からは4連休ですね。
安全に気をつけて、ゆっくりと過ごしてください。





これで校長先生のお話を終わります。


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